湧水探訪
写真と文は加藤嘉六さん
写真・図はクリックして拡大します。
期日:未定
集合:時間場所 午前10時 青梅線福生駅改札口
解散:五日市線熊川駅
(福生市史 自然編)には大切なことが書かれています。
私たちは地球の表面で生活し、そこを単なる活動のスペースと考えがちである。
しかし私たち人間を含めて、すべての生物は地球の環境に支えられて生きている。その地球の表層約1000kmほどの部分は動植物などの生物だけでなく、
これらを含めた空気・水・岩石などから構成されている。従って私たちは地球の表層を構成している成分の一部であると考える。こうした多くの要因の有機的なつながりの下で自然環境が支えられている事実から、私たちが環境を造り替えたり、一方的に都合の良いように改善・調節したりすることは、さらに新しい矛盾を生み出していくことになる。私たちは地球という天体に支えられ、保護されている存在である。
福生市域は武蔵野台地の西端、多摩川の流れに沿って北から南にかけて緩やかに傾斜し、東から立川段丘(八高線、横田基地)、拝島段丘(青梅線あたり)、
沖積低地面(河原)のひな壇状の三段から構成されている。
地形は古多摩川が運んできたレキの堆積と侵食の繰り返しよって形づくられた。これら数段の段丘地形と現多摩川の河床(河原)やその氾濫低地が市内で見られる地形である。また、段丘のハケ(崖線)では地下水が湧出している。(福生の地質と地形より抜粋)
一路福生神明社へ
写真は福生観光案内資料より、昔は飲料水や生活用水に利用されましたが、現在は井戸水を利用して再現しています。
堂川 拝島段丘(ハケ面)・天ケ瀬段丘(足元の台地面)
昔のメインストリート(宿橋通り)を進みながら、旧ヤマジュウ田村家住宅(国の有形登録文化財)へ向かいます。
東土蔵(手前)は窪田成司さん作 記憶画の常設ギャラリーとなっています。 その中の1枚
地下水の湧出
市内に分布する段丘面の境には崖線いわゆる「ハケ」が連なっている。このハケの斜面には、サレキ層の中を通過してきた地下水が流出し、各所で湧水となって見られている。昔は流出量も多く、地下水の湧出箇所では、先輩たちが生活水として活用していたらしく、古くから地名や伝承の中にその名残が見られる。例えば、かに坂、長沢、縞屋の滝、清水坂など今日まで地名として残っている。
他方、拝島段丘では各所に無名の湧水が認められ、かなりの水量を湧出する場所もある。ことに中福生陸橋付近から福生南公園東側に連なる拝島段丘崖では、清岩院境内、私立第7小学校裏(縞屋の滝)ホタル公園付近、幸楽園下、他などの湧水で知られる(福生市)。
ではその湧水見ていきます。
水窪(玉川上水の下から湧き出ています。)天ケ瀬段丘(ハケ面)・千が瀬段丘(足元の台地面)
天ケ瀬段丘(ハケ面)・千が瀬段丘(足元の台地面)
室町時代初期に建立された古刹。本堂前の日本庭園が美しく、境内の数カ所から湧水が出ています(東京の名湧水57選)。 天ケ瀬段丘(ハケ面)・千が瀬段丘(足元の台地面)
かつてのハケの上に千人同心清水才次郎宅があり、清水家の屋号が「縞屋」と言われたことに由来。拝島段丘(ハケ面)・川原の面(足元の台地面)
都市化により年々数が減るホタルの棲息を保護する施設として昭和48年(1973)年設置。ゲンジボタルが養殖されています。拝島段丘(ハケ面)・河原の面(足元の台地)
園内ではホタルのエサになる「カワニナ」を育てています。
下の川緑地せせらぎ遊歩道公園はベンチなども備えてあり、快適な散歩道に整備されています。拝島段丘・河原の面
現地の説明文の中に「長雨のためにハケの湧水が五日市街道へ流れ出し、現在の牛浜駅付近から西側に水があふれた様子がえがかれている」。とありますが長雨とはいえ洪水を起こすような湧水があるとは思えないので、高台の横田基地(立川面)の方から流れ下った水があふれたのだろうと思われます。
因みに横田基地の標高は128.3m、福生市牛浜の標高は125mです。