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第6回 矢川、まま下湧水探訪

湧水探訪

写真と文は加藤嘉六さん

    

写真・図はクリックして拡大します。


期日:2024年6月30日(日)

集合:時間場所 午前10時 JR南武線西国立駅改札口

解散:JR南武線矢川駅 まま下湧水から矢川駅までは少し距離があります。おにぎりなど軽食や暑いと思われますので、飲み物を用意したほうが良いと思います。西国立駅前にはコンビニなど食料品が買える店があります。


矢川緑地保全地域内の散策

矢川緑地保全地域にある現地案内板
矢川緑地保全地域にある現地案内板
矢川緑地保全地域は清水が湧き出す湧水源です。
矢川緑地保全地域は清水が湧き出す湧水源です。
水辺の植物ガマの群落。その穂は串刺しにしたソーセージのようにも見えます。
水辺の植物ガマの群落。その穂は串刺しにしたソーセージのようにも見えます。
保全地域の北側はすでに川となって矢川が流れています。
保全地域の北側はすでに川となって矢川が流れています。

みのわ通りから上流を見る

みのわ通りから上流を見る。水面が見えなくなる地点から先は暗渠になっています。左は矢川弁財天の敷地。
みのわ通りから上流を見る。水面が見えなくなる地点から先は暗渠になっています。左は矢川弁財天の敷地。
矢川緑地周辺の地図
矢川緑地周辺の地図

暗渠の北西方向に立川高校があります。その辺りが最初の水源だそうです(立川市)。立川段丘の下部から青柳段丘面へ湧水が出ています。


矢川の流れ

保全地域を出た矢川の流れ
保全地域を出た矢川の流れ

保全地域を出た矢川の流れは農地の多い市街地を青柳崖線に向かい南下します。途中には矢川を渡る橋や利用しやすいような洗い場がつくられています。今でも農具や野菜を洗ったり、清水ですからスイカを冷やしたりと使用されているのではないかと思います。矢川緑地一帯を水源とした矢川は、流れが矢のように速いことを表した名だそうです。

矢川を渡る橋と洗い場
矢川を渡る橋と洗い場

青柳崖線に沿う水田

立川崖線、青柳崖線の位置関係。下の段丘へ行くほど古多摩川によって削られた新しい段丘となります。

青柳崖線に沿う水田とあぜ道。
青柳崖線に沿う水田とあぜ道。

古多摩川の流れによってつくられた階段のような形をした、高さ8メートル前後の段丘崖が連なっています。北側には青柳段丘が、南側には古多摩川の氾濫原であった低地(多摩川沖積地)、一番下が多摩川です。

 

立川段丘面は約2万年前に、青柳段丘面は約1万5千年前にできたものです。このようなところをこの辺りでは「まま」とか「はけ」と呼び、そこから湧き出る地下水を「ママ下湧水」と言っています。昭和の初めまではこの豊かな清水を利用してわさびがつくられていたそうです。


青柳崖線のハケ下から湧く「ママ下湧水」

青柳崖線のハケ下からこんこんと湧く「ママ下湧水」
青柳崖線のハケ下からこんこんと湧く「ママ下湧水」

東京都名湧水57選にも選定されています。水は夏でも枯れないそうで、私も経験のために靴を脱いで流れに入ってみました。長距離を歩いてきた足にはひんやりして気持ちが良いです。皆さんもぜひ体験してみましょう。

湧水の流れの中に入って、水生生物をとっている家族。冷水の湧水が出る谷戸の流れに棲息するホトケドジョウもいるそうです。
湧水の流れの中に入って、水生生物をとっている家族。冷水の湧水が出る谷戸の流れに棲息するホトケドジョウもいるそうです。

矢川おんだし

左の流れママ下湧水(別名清水川)、右の流れ矢川は手前の多摩川から引かれた府中用水の支流谷保分水に流れ込む。この合流地点を「矢川おんだし」と言います。実踏したときは小さい子どもたちが楽しそうに水浴びをしていました。

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